お知らせ

運営基準「管理者の責務」から、従業者の働き方について、考えてみませんか?

まず、訪問介護事業所の「管理者の責務」については、以下のように定められています。

第二十八条 指定訪問介護事業所の管理者は、当該指定訪問介護事業所の従業者及び業務の管理を、一元的に行わなければならない。

2 指定訪問介護事業所の管理者は、当該指定訪問介護事業所の従業者にこの章の規定を遵守させるため必要な指揮命令を行うものとする。

次に、訪問看護ステーションの「管理者の責務」については、以下のように定められています。

第二十条 指定訪問看護ステーションの管理者は、指定訪問看護ステーションの従業者の管理及び指定訪問看護の利用の申込みに係る調整、業務の実施状況の把握その他の管理を一元的に行うものとする。

2 指定訪問看護ステーションの管理者は、当該指定訪問看護ステーションの従業者にこの章の規定を遵守させるため必要な指揮命令を行うものとする。

訪問介護も訪問看護も、それぞれの条文の第2項に『従業者にこの章の規定を遵守させるため必要な指揮命令を行うものとする』と、ありますよね。

これを読んで、多くの人はどのように解釈をするでしょう?

私は以前、訪問介護の管理者になりたての時に、当時の上司から、

『あなたは管理者なのに、制度のことを知らないの?』

『管理者なんだから、運営基準は読んでるよね。はい第23条は?』

『えっ、そんなこともわからないの?第24条は?』

こんなことがありました。

他の従業員の前でこれをされ、とても辛かったことを、今でも鮮明に思い出してしまいます。

悔しくて悔しくて、

悔しくて悔しくて、

勉強しましたね。

でも、第〇条が何て書いてあるって、私は覚えられませんでした。

その代わりに、違う覚え方をしたんです。というか、覚えることをやめました。

その結果、今の私ができあがりました。

あの時から、もう15年になりますが、未だに第〇条は何?って聞かれても即答できません!

しかし、即答はできませんが、答えることができるようになりました。

私は、これでいいと思うんですよね。

あっ!ここ大切なとこですね。覚えることをやめたのに答えられるってとこ。誰でもできることなんです。(笑)

毎回のように、ブログに書きたい内容が脱線してしまっていますが。(笑)

運営基準っていうのは、事業所が守るべき最低限のルールです。

つまり、これに書かれていることは、運営していくうえで必須事項なんですね。

『従業者にこの章の規定を遵守させるため必要な指揮命令を行うものとする』

これを守るのならば、

『管理者』は、運営基準に書かれている規定を知っていなければならないってことです。

そして理解している必要があるんですね。

従業者に基準を守らせるわけですから、理解していないと伝えることできないですもんね。

管理者の責務を果たすには、「運営基準の理解」があることは、これでわかったと思います。

その次に大事なのが、従業者が運営基準を守るということです。

管理者が指揮命令を行い、従業者に守らせる。

ということは、

従業者もまた、運営基準の規定を知る必要があるということになりませんか?

運営基準の規定を知らなかったら、守りようがないと思うんですよね。

基準の理解まではいかなくても、基準にどういうことが書かれていて、基準に書かれているからサービスを提供するときに何を守るのか、事業所に所属しているから何を守らなきゃならないのかってことを理解する必要があるんです。

もし理解しないで働いていたら、いつか、どこかで、運営基準違反をしてしまうかもしれませんよね?

これが私の解釈なのですが、

たぶん多くの従業員は、運営基準を読んだことがないのではないでしょうか?

運営基準というものの存在を知らない人もいるのではないでしょうか?

もちろん、運営基準を知らなくても、優秀な管理者の指揮命令が優れていて、基準違反をしないということもあるでしょう。

これはこれでいいとは思いますが、優秀な管理者の指揮命令がなくなったら、どうなるか?という将来の不安はあるでしょう?

その管理者に続いてくれる従業者が育ってるのが理想ですよね。

私が懸念するのが

「運営基準なんて知らないっすよ」とか

「私がしてるのは利用者への介助だから、そんなの知らなくていいです」とか

「管理者が知ってればいいんじゃないっすか」とか

「別に知らなくてもいいです。困ってませんから」とか

こういう感じの声が、現場から聞こえているという実態です。

私は介護の資格はヘルパーどまりなので、介護福祉士の資格を取得するのに、どれほど大変か推測しかできませんが、今はかなり多くの介護福祉士が輩出されていると思います。

介護福祉士って、国家資格なんですよね。

国家資格って、国の法律に基づいて、各種分野における個人の能力、知識が判定され、特定の職業に従事すると証明される資格。法律によって一定の社会的地位が保証されるので、社会からの信頼性は高い。とされています。

そして介護福祉士は、「社会福祉士及び介護福祉士法」によって定められている国家資格で、同法2条2項の定義によると「介護福祉士とは、第42条第1項の登録を受け、介護福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、身体上又は精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者につき心身の状況に応じた介護(喀痰吸引その他のその者が日常生活を営むのに必要な行為であって、医師の指示の下に行われるもの(厚生労働省令で定めるものに限る。以下「喀痰吸引等」という。)を含む。)を行い、並びにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行うこと(以下「介護等」という。)を業とする者をいう」とされています。

どちらを読んでもわかるように、「知識があること」を証明されている資格なんですよね。

他の法律の国家資格保持者の多くは、全部とは言えなくても、最低限の法令は理解していないとできない職業が多いと思うんです。

でもなぜか、介護業界って、法令を知っている人が少ないなぁって思っちゃうんですよね。違うかなぁ?私が関わっているところ、関わってきたところだけが、そういう感じの従業者が多かったのかなぁ。

どんどん話がタイトルから離れちゃってますが(笑)

運営基準を守ることは、事業所が最低限やるべきことで、それを管理者が理解している必要があって、従業者も内容を知っていないと、運営基準を守ることってできないんじゃないですか?

ってことを投げかけたかったんです。

先日のブログでも、ちらっと触れました。

訪問看護のケースですが、従業者の訪問看護師さんに訪問看護計画書や訪問看護報告書の作成等を任せっきりにしている管理者さんがいる訪問看護ステーション。

運営基準を守っていなくて、管理者が責務を果たしていないという実態が実地指導で判明して、指定取り消しになった事例があると。

つまり、管理者は管理をせず、訪問看護師は基準を知らずにいた結果ということですね。

それぞれの職位に応じた、職責を全うする。職務を遂行する。責務を果たす。

一般的にあたりまえのことだと思いますが、あたりまえのことが、なかなかできないこともあるでしょう。

でも、自分に課せられたことを、全うするために努力をすることが大切だと思うんです。

その努力を継続していて、いつか結果が出せるようになること。

これが責務を果たすことになり、働くうえでの重要なことの一つなんじゃないかな・・・

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