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訪問看護計画書や訪問介護計画書の作成~訪問介護計画書の作成手順~

訪問介護計画書の作成の「基本的な流れ」と「内容」を書いていこうと思います。

まず計画作成でもなんでも運営に関することは、運営基準を読み理解する。ここがスタートになります。つまりこれは基本を知るということになります。基準と合わせて必ず読んでほしいものに「条例」もあります。

基準を理解することで基本がわかり、基本が理解できたら、あとは利用者の状況や職場の実情などに合わせて、応用ができるようになります。

なので、まずは基準の内容を伝えていきたいのですが、書籍だったり、インターネットで原文のままの基準を読むのは抵抗があるけれど、ありがたいことに、私の書く文章だと読めるって言ってくださる方々がいらっしゃいましたので、もしよければ、目を背けずに読んでみてほしいと思います!

訪問介護計画の作成は、基準の第24条に書かれています。

解釈通知を踏まえて、原文をちょこっとかみ砕きながら、書いていきます。

まず、サービス提供責任者は、訪問介護計画の目標や内容などを、利用者とその家族に、理解しやすい方法で「説明」を行う必要があります。そして、それだけでなく、その計画に基づいて行われているサービスの提供の「実施状況」や「計画の評価」も説明を行う必要があります。

訪問介護計画書を作成するときは、利用者の状況を把握し分析して、訪問介護のサービスの提供によって解決する必要がある問題状況を明らかにします。これを「アセスメント」って言います。

そして、アセスメントに基づいて、援助の「方向性」とか「目標」を明確にします。

担当する「訪問介護員等の氏名」や訪問介護員等が提供する「サービスの具体的内容」、「所要時間」、「日程」等を明確にし作成します。サービスの具体的内容や所要時間を作成する時に「老計第10号」を参考にするといいですね。

https://www.wam.go.jp/gyoseiShiryou-files/documents/2018/0402095345456/ksVol637.pdf

訪問介護計画書には、決まった書式というものがありません。それは「訪問介護計画書の様式について、各事業所毎に定めるもので差し支えない」って定められているからです。このような状況から、「今使っている書式でいいのかどうか不安がある」ということを、よく聞きます。

インターネットで書式を検索すると、たくさん出てきますよね。しかしよく見ると、ちょっとずつ違うところがあるんです。

実際に、私が管理者をしていた時の話ですが、インターネットから原本となるものをダウンロードし、作成に必要な内容を網羅して作り直したことがあるんですが、記載すべき必要な内容は問題なかったのにも関わらず、ある文言が「一言足りない」と口頭注意をされたことがありました。

何度も実地指導を受けてきて、初めての注意だったので、直接、検査の担当者に聞いてみました。

「今までの実地指導で、ここを指導されたことがありません。赤本(介護報酬の解釈)にも記載されていません。なぜ改善(改善報告書提出)しなければならないのですか?」と。

担当者からの回答は「僕がそう思ったからです。」と。

なぁに~!?ですよね。

すかさず私は、「では、今後の実地指導で担当者が変わったら、注意されないかもしれないってことですか?」

担当者は「僕以外で担当する人のことはわかりませんが、そうなる可能性はありますね。」と。

超びっくりですよね。ローカルルールだけでなく、担当者ルールも存在するんです。

と、話が脱線しましたが、訪問介護計画書の書式に関しては、介護ソフトにあるものはそのまま使っていいと思います。しかし、一度、指定権者に「この訪問介護計画書で不備や不足、改善点はないか」確認することをお勧めします。そして、その確認してくれた方の名前と日にちを記録しておきましょう。

作成の流れに戻りますが、訪問介護計画を作成するときは、基本は居宅サービス計画(ケアプラン)に沿って作成します。そして、あとから居宅サービス計画が作成されてくる場合があります。

あとから居宅サービス計画が作成されてきた場合は、すでに作成してある訪問介護計画書と内容を照らし合わせて確認しましょう。修正する必要があれば修正し、そのままでよければ、きちんと居宅サービス計画と照合して確認した日にちなどを記録しておきましょう。

ところで、居宅サービス計画書の見方ってわかりますよね?サービスの具体的内容は、主に2表と3表を見ますが、サービス提供票も必要です。サービス担当者会議議事録があれば、それも見ながらの方がいいですね。

この居宅サービス計画を見るときも「コツ」があるのですが、このコツは、機会がありましたら、伝えていきます。

訪問介護計画ができましたら、サービスの提供を開始する以前にすることがあります。

それは、サービス提供責任者が、利用者に訪問介護計画書を交付して説明し、同意を得るということです。そして速やかに、ケアマネジャーさんにも計画書を渡しましょう。

サービスの提供が開始されたら、サービス提供責任者は、それぞれの利用者を担当している訪問介護員等が行うサービスが、訪問介護計画に沿って適正に実施されているかどうかを把握して、必要に応じて、訪問介護員等へ助言や指導などを行います。

このように、サービス提供責任者は、計画を作成するだけでなく、きちんと適正なサービスが提供されているかどうかを含め、訪問介護員等への指導などの必要な管理を行わなければなりません。

そして、利用者の状態が変わったり、計画を変更する必要が生じた場合は、またこの一連の流れを繰り返します。

ここで重要なのが、現在進行している訪問介護計画から変更して、新たに訪問介護計画を作る時は、アセスメントを実施するとともに、現在進行している訪問介護計画を評価し、次の訪問介護計画の作成となります。

この時の評価も、きちんと利用者に交付して説明しましょう。

それでは、箇条書きで、計画作成の基本的流れをまとめてみます。

①利用者情報の把握(アセスメント)の実施

②利用者の生活環境等を踏まえて課題(ニーズ)を特定する

③利用者と家族の要望を聞き取る

④訪問介護計画の作成をする

⑤作成した訪問介護計画を利用者と家族へ説明し同意を得て交付する

⑥2回目以降の計画作成の場合は、訪問介護計画と評価も説明し交付する

⑦ケアマネジャーへ訪問介護計画書を提出し、サービスの提供を開始する

⑧短期目標期間ごと、もしくは利用者の状態等や援助内容の変更等で訪問介護計画を作る場合は①~③及び現在の訪問介護計画の評価をする

⑨訪問介護計画を作成する

⑩訪問介護計画の進捗状況と評価を利用者・家族へ説明し同意を得て交付する

初回の訪問介護計画作成時には「評価」がないので、わかりづらくなっちゃう人がいるようですね。実際私も、今流れを書いていて、わかりづらいかな?って思っています。

シンプルに流れだけを伝えると、計画作成時は必ず、

①利用者情報の把握(アセスメント)をします。その時に、利用者・家族の要望を聞き取りします。

②そして、計画の評価をします。評価を踏まえて、訪問介護計画の見直しをします。

③訪問介護計画作成し、利用者へ説明し同意を得て交付、ケアマネジャーへ提出します。

初回の計画作成は①③を実施し、二回目以降の計画作成が①②③を実施すると覚えていただいたらよいと思います。介護予防訪問介護の場合は、モニタリングも必要となってきますので、①の時に実施するのが現実的だと思います。

最後になりますが、訪問介護は身体介護、生活援助、通院等乗降介助とありますが、計画作成時に最も注意して作成し、訪問介護員さんも介助するときに注意が必要なのは、「自立生活支援のための見守り的援助(自立支援、ADL向上の観点から安全を確保しつつ常時介助できる状態で行う見守り等)」となります。

訪問介護計画書を見させていただくと、単なる生活援助になっている計画書があります。これに関しても、「老計第10号」に明記されていますので、確認してくださいね。

行政からの通知とかは、可能なら見たくないでしょうし、読まずに済むなら読みたくないでしょう。しかし、運営上必要なことなので、読んでほしいものです。

「いつ、通知が出るかわからない」ですよね。

毎日、情報収集の時間を設定したほうがいいでしょう。管理者さんとサービス提供責任者さんは必須業務だと思います。「出社時に情報収集する。情報確認をする」というルーティンにしてしまえばいいと思いますよ。慣れるまでは苦痛?かもしれませんが、気づいたら当たり前の業務になっていますよ!

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