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訪問介護の管理者さん必見!運営基準違反や不正請求のあれこれ!

実際にどんな内容で処分をされているのか?

どんな指導がなされてるのか?

札幌市の令和3年度の介護サービス事業者集団指導の資料を用いて、内容を見ていきたいと思います。

まず、監査になった結果、指定取消となった訪問介護事業所の不正の内容なんですが、

不正請求としては、

・実際にサービスの利用が無いにもかかわらず、訪問介護の回数を水増しして不正請求を行なった。

・事業所の実態が当該法人が運営するサービス付き高齢者向け住宅にあったにもかかわらず、事業所の住所は他の場所であると虚偽の届出を行っていた。結果として、同住宅や近隣に居住する利用者に提供した訪問介護について、同一建物減算を算定しておらず、不正請求となった。

これはびっくりですね。

未だに、訪問していないのに訪問したようにして請求してしまう事業所があること。

それと、同一建物減算を逃れるためにしたと思うんですが、ん~、どういう心境だったんだろうなぁ。結局、指定取り消しになっちゃったんだから、バレないと思ったのかな?

減算逃れって、目先のことしか見えてないってことなんですよね。

制度で定められたのだから、それは従うとして、減算された分をどう補うか?

もしくは減算された状態で、どう運営していくか?

少なくともこれぐらいは考えるべきだと思うんです。

私は、こういう面でのアドバイスなどもさせていただいているのですが。

つまり、第三者的な目線が無いと、どうしても自事業所に都合よい考え方が出てしまって、結果うまくいかないってことがあるんですよね。

次に、運営基準違反のケースですが、

・利用者の訪問介護計画やサービス提供記録を作成しておらず、運営基準に違反しているにもかかわらず、介護報酬を請求・受領した。

・当該法人が運営するサービス付き高齢者向け住宅で提供する宿泊サービスは介護保険外の自費サービスであるにもかかわらず、訪問介護として介護報酬を請求・受領した。

これは、完全に管理者が運営基準を理解してない、知らないというケースではないでしょうか。

計画を立ててないって、利用者に不信感持たれなかったんですかね?

訪問スタッフは、どうやって支援したんでしょうね?

支援に関しては、技術と経験で実施することはできたとしても、目的も目標も具体的な援助内容も定めず、スタッフは不安じゃなかったのかな?

せめて手順書でもあったのならって思いますが、まぁ、無いでしょうね。

そして、記録を残してないのに、どうやって請求したの?って話です。

請求する根拠がなくて請求するって、どんな気持ちだったんでしょう。

不正請求も運営基準違反も、指定取り消しという当然の結果だと思います。

なんどもなんども、このブログで書いてますが、指定認可される時に、運営基準を理解している管理者として申請をしてるんですから。

理解していて不正、違反。

悪質と捉えられても仕方がないことです。

管理者が理解してなかったとしたら、そもそも申請の時から、虚偽の申請をしたってことになりますし。

ルールは守らないと!

次に、実際の指導事例を見ていこうと思います。

〇利用者数が少ないことを理由に訪問介護員等を常勤換算方法で 2.5 人以上配置していない。

〇訪問介護員等の常勤換算方法による員数に、管理者としての勤務時間数や併設施設の職員としての勤務時間数を含めている。

これは、基準を知らないのと、勤怠管理をきちんとしてなかったんでしょうね。

管理者になる人は、管理者になるために、勉強しなきゃならないと思うんですが、してないんでしょうか?

次に、管理者とサービス提供責任者の責務に関してですが、

〇3年以上介護等の業務に従事した経験のある介護職員初任者研修課程修了者を、サービス提供責任者にしている。

〇利用者の状態の変化やサービスに関する意向の把握が不十分である。

〇サービス提供責任者自身もサービスに多く入っており、他の訪問介護員へ研修・技術指導が不十分な状態である。

〇管理者が、事業所併設の有料老人ホームの管理者やヘルパーを兼務し、事業所の管理業務をサービス提供責任者等に任せ、管理者としての責務を十分に果たせていない。

これは、名ばかりの管理者とサービス提供責任者ですね。

配置しているだけ。

管理者の仕事を、どのように受け止めて、仕事をしていたのでしょう?

サービス提供責任者も、自身の職務の内容を理解していなかったのでしょうか?

それとも知っていて、の結果でしょうか?

例えば、人員不足で、一時的にそういう時はあるかもしれません。

しかし、人員不足を慢性化させて、それをあたりまえだと誤解してしまったのでしょうか?

通常ではないこと、これがまかり通ったら、ルールも何もあったもんじゃありません。

通常ではないんだから、異常事態だと認識して、対策を立てないと!

って書いたら、「対策を立てていても、人が入らなかったんだから、しょうがないじゃないですか」って声も聞こえてきそうですが、

しょうがないで済むことなんですか?って話です。

うまくいかなかったら、しょうがない。

思い通りにならなかったら、しょうがない。

しょうがないってことで、逃げているだけですよね。

訪問介護の指導事例は、まだまだあるので、興味のある人は、以下の内容も読んでみてください!

私からのコメントは無しにして、ひたすら指導内容を〇印のあとに書いていきます。

〇居宅サービス計画(ケアプラン)に記載されたサービス内容・頻度・時間帯をよく確認していない。

〇居宅サービス計画(ケアプラン)の短期目標の期間延長について、記録がない。

〇アセスメントやモニタリングの未実施もしくは実施頻度不足。

〇事業所としてアセスメントとモニタリングの違いを認識しておらず、実施した記録が区別されていない。

〇提供するサービスに関する内容についてのみ、アセスメントをしている。

〇サービスの各工程の所要時間が定められていない。

〇買い物同行・代行のように工程が異なるサービスについて違いを明確にしていない。

〇「毎週同じヘルパーが訪問するわけではない」という理由で、訪問予定のヘルパー名を書いていない。

〇ケアプラン上、適宜、必要時と位置付けられているサービスが計画に位置付けられていない。

〇過去のサービスの実施状況、目標達成の度合い、現在の利用者の状態、利用者や家族の今後の希望を確認・検討せずに、訪問介護計画を継続している。

〇訪問介護計画を継続するか否か、検討した記録が残されていない。

〇利用者の状況欄に「特変なし」とだけ記載している。

〇サービスを提供記録に、「サービスの具体的な内容」「利用者の心身の状況」が記録されていない。

〇利用者がどのような状態で、どのようなサービスを提供したのか、分かるように記録していない。

〇研修の年間計画を立てていない。

〇実施した研修の記録が乏しい。

〇自ら提供するサービスの質の評価を実施していない。

〇基準に関する基準チェックシートを確認することで、自己評価を実施しているものと誤解している。

〇自ら提供するサービスの質の評価は行われているが、その結果を踏まえての改善が図られていない。

〇管理者が、併設する有料老人ホームの職員としても勤務しているが、勤務表上、有料老人ホームの職員との兼務関係が明らかになっていない。

〇一か月ごとの勤務表が作成されていない。

〇重要事項説明書が天井近くに掲示してあり、読みにくい。

〇1年前の訪問介護計画を保存していない。

〇保存期限内の過去の利用者の記録を保存していない

〇重要事項説明書に、暗に、併設事業所を利用しなければならないと誤解を与える可能性がある表現をしている。

〇料金表等において、利用者の自己負担割合について「1割」しか記載がない。

〇訪問介護員に健康診断を受けさせ、また、その結果を把握する等、訪問介護員の健康状態についての管理をしていない。

〇手袋等の備品の用意がない。

〇従業者から秘密保持に関する誓約書をもらっていない。

〇誓約書をもらっているが、退職後の秘密保持についての記載がない。

〇個人情報利用について、利用者本人から同意を得ているが、利用者家族からの同意を得ていなかった。

〇苦情相談があっても都度解決できているため、苦情受付・対応の記録を残していない。

〇過去に事故が一度もなかったという理由で、事故報告書の書式を準備していない。

〇報告対象となる事故を札幌市に報告していない。

〇訪問介護計画の予定時間と、実際のサービスの提供時間にずれが生じた場合に、サービス提供記録に実際の開始時間と終了時間を記載せず、計画通りの時間を記入している。

〇前回のサービス提供から2時間未満の間隔で行われた訪問介護を、それぞれの所要時間で請求している。

〇事業所が所在する建物の居住者にサービス提供をしていたが減算をしていなかった。

〇有料老人ホームの居住者で訪問介護のサービスを受ける者が1ヶ月に 20 名以上いたが、事業所と有料老人ホームが離れた場所に所在するため、減算しなくてもよいと誤解していた。

とまぁ、結構な量の指導内容でしたね。

しかし、どれを読んでも、すべて運営基準に記載されている内容です。

道路交通法に例えたら、信号無視、標識無視の状態です。

なんで?

なんで、運営基準を守ろうとしないんだろう?

「知らなかった」は通用しないんです。

運営基準を理解している人が、管理者になるのですから。

何度も書いちゃってますけど。

ルールは守りましょうよ!

もしくは、ルールを知って、上手に活用しましょうよ!

まずは管理者がきちんと理解すること。

そしてサービス提供責任者。

ここがきちっとしていれば、実地指導は、全く怖くないんです!

管理者育成、サ責(サービス提供責任者)育成、お手伝いいたしますよ!

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