工場勤務で、なぜポケベルを持とうと思ったか?
まぁ、流行ってて、友人とかも持つようになってたからだね。
何に使うって訳でもなくて、一種のステータス?みたいな。笑
それでまぁ、嬉しくてね!
別にマザコンって訳じゃないけど、夜遅くに母親に電話したんだよね。
茨城の実家に電話したら、ばあちゃんが出てさ。
「幸江さんなら(母親の名前)、勝田に行っでるよ。」
「なぁにぃ、はじめなら知ってっペって思っだげど、幸江さん、言っでながっだのけ?」
「勝田のばあさん、うごげなぐなっだもんだがら、看病さ行ってんだわ。」
ってね。
ここでちょっと茨城弁講座!笑
茨城弁でしかも北部のど田舎だから、言葉に濁点つくんだわ〜!
それだけでなく、語尾が上がるっていうのかな。
イントネーションが、独特だよね。
俺も昔はだいぶなまっでだげどね。笑
今でも、たまぁに出ちゃうね。
方言。。。
ごじゃっペは出ちゃうなぁ!笑
あと、いじやける!笑
興奮すると、だっぺになる!笑
って・・・
勝田ってのは、俺の大好きな母方のじいちゃんが住んでた地名ね。
確か、今は平成の大合併で、ひたちなか市になったんじゃなかったかな。
さっそく勝田の家に電話したら、母親が出てね。
勝田のばあちゃんが身体悪くなって、母親の兄弟姉妹が交代で看病に行ってたんだって。
んで、俺は、ポケベル持ったさ!
って話して、使い方を説明してさ。
何回か電話を切って、送信とかやってもらったけどうまくできなくてさ。笑
まぁいいわ!
って感じで、ポケベルの番号に電話してくれたらかけ直すからってね!
こんなやり取りをしたね。
あと、ばあちゃんとも少ししゃべったよね。
勝田のばあちゃんは、勝田は県央だからほとんどなまってないよ!
「元気かい?」
とか、
「毎日感謝して生きてるかい?」
とか、
「ご飯は食べれてるかい?」
ってな感じでね。
俺は、「わがってるよ!」
「大丈夫だがら!」
なぁんて答えたりして、電話を切ったよ。
翌朝5時。
ポケベルじゃなくて、俺の家の家電が鳴って。
出ると、父親から。
俺は少々不機嫌に「なしたの、こんな早くに?」
父親の一言目。
「はじめ、落ち着いて聞けよ・・・」
ん?
「母さんな、母さんが死んだよ・・・」
・・・・・
・・・・・
・・・・・
「はあっ?」
「何言ってんの?」
・・・・・
昨夜、電話で話してたんだけど。。。
実は、その後・・・
・・・不審火だったって聞いてる。
全焼して、母親もばあちゃんも。
俺の頭は真っ白で。
茨城に帰ろう。
どうやって千歳空港に行ったか覚えてない。
どうやって飛行機に乗れたのかわからない。
気づいた時は、飛行機の中って感じ。
千歳~羽田路線は、飛行機の窓から、田舎を上空から見れるんだよね。
まぁ、毎度のことだけど、飛行機に乗って羽田に向かう時は、飛行機のシートのA(窓側)に予約するんだよね。
なんでかっていうと、曇りでない限り、上空から実家が見れるから。
毎回、あの日のことを思いだしちゃうけど。
羽田についてから、たぶんモノレール、山手線、常磐線で水戸まで行ったと思う。
水戸から水郡線があるんだけど、一時間に一本だから。。。
一刻も早く帰りたい。。。
そっからタクシーに乗ったね。
約30キロ。
タクシー降りて、家にかけあがるとさ。。。
「お母さんは???」
父親も親戚も・・・
「見ない方がいい・・・」
俺は「なんでだよ!なんでお母さんに会っちゃいけねえんだよ?」
みんな「・・・」
強引に俺は、白い布を取って・・・
ここから先の記憶がほとんどない。
ただ・・・
ただ、ただ、真っ黒だった。
真っ黒なまま、記憶がなくなってる。
白い布と真っ黒な。。。
母親の生前は、母親が夢に出てくることがあったけど、この日を境に今日まで、一度も母親の夢を見たことがない。
なんでなんだろうね。
わかんないや。
母親の死ってのは、俺への影響が強かったね。
いなくなって初めてわかること、たくさんあり過ぎた。
札幌に帰ってきてからも、約一か月間。
なぁんもやる気もなくなって、腑抜けのようになってたんだよね。
この間に、会社の専務と大喧嘩して。
やる気ないから、ボケ~って仕事しちゃってたんだよね。
そんな時に・・・
次回、来週は、この専務との喧嘩のお話でも。
そうそう・・・
ポケベルは、あの日以来使わなかった。
その後どうなったかも覚えてない。
なんだかなぁ・・・
やっぱ今でもこの時のことを思いだすと・・・
なんだかしんどいんだよね。。。
人ってさ、簡単に死ねないという意見もあるよね。
自らだと、なかなか簡単に死ねない。
でも外から、だったら、結構簡単に。。。
簡単とか使っていい言葉かどうかわかんないけど、昨夜まで元気でさ、普通に会話してたのに。。。
寝て起きたら。。。
こういう経験があると、「今」を大事にって思えるよね。
一分先のこともわからない。
先のことはわからない。
ただ間違いないのは、今を生き抜くことで、今が積み重なった未来を、その時の今で生きている。。。
母親が亡くなった年齢を、俺は追い越しちゃったよ。
母親の記憶は、あの日のまま歳取ってねぇからな。
なぁんか、変な感じ!
ってことで、じゃ!