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小学5年物語エピローグ・・・失敗と空回りの人生哲学

うまくいかない日常も、考えて行動するの一部。


プロローグ

「もしあなたの人生哲学を一言で表すとしたら?」
そんな問いかけから始まった、HAJIMEさんへのインタビュー。

前回の記事では、彼が大切にしてきた言葉――「考えて行動する」――を軸に、生き方を語ってもらいました。
小学5年で味わった仲間外れ。そこで「どう生きるか」を初めて自分で考えた経験。
そして母の死、シングルファーザーとしての覚悟、経営者としての責任。
その一つひとつが積み重なって形になった人生哲学は、多くの人の胸に響いたはずです。

その原点は今も、訪問看護や介護の現場を支える姿勢に生き続けています。
けれど、あの言葉がいつもスマートに実践されているかといえば、そうではありません。
むしろ日常は失敗や空回りの連続。
それでも立ち止まらず、「考えて」「動く」ことを繰り返してきた。

今回は、その裏側――うまくいかない日常や泥臭さ、そしてそこに込められたリアルな思いを聞きました。


エピローグ

〜考えて行動?うまくいかないのが普通〜

記事を書き終えた後の気持ち

――前回のブログで「考えて行動する」という人生哲学を語っていただきました。記事を書き終えた後、どんな気持ちになりましたか?

HAJIME
いやぁ…昔をめちゃくちゃ思い出したね。
「あぁ、生きてきたんだなぁ」って実感もあったし、もしあの体験がなかったら俺はどんな人生を送っていたんだろう?って、自分自身を見直すきっかけになったよ。


「考えて行動する」=うまくいく?

――ただ、読んだ人の中には「考えて行動する=うまくいくことが多いんだろう」と思った方もいたかもしれません。実際はどうですか?

HAJIME
いやいや、全然そんなことない!笑
考えて行動しても空振りなんてザラだよ。

例えばコンサルの現場。
大事な本質を伝えても、お客様が結局いつものやり方に戻ってしまうことがある。
「なんでそこ見ちゃうの?」って思うこと、しょっちゅうだね。

それから釣り。
「絶対釣るぞ!」って思っても、自然はそんなに甘くない。
考えて動いても結果が出ない。…これも日常の一部だよ。


失敗したときの受け止め方

――そんな「うまくいかないとき」は、どうやって受け止めていますか?

HAJIME
まずはどうやっても、事実を認めるしかない。
感情を抜いて、「起きたことは起きたこと」として見る。それが最初の一歩。

でも同時に「あ〜やっちまったな」って思うんだ。
ここでいう“とき”って、場面としての「場合」でもあるし、その瞬間の頭の中でもあるでしょ?

瞬間の思考って、一言とか一つだけじゃなくて、いくつも重なるんだよ。
「やっちまったな」とか、「どう言えば伝わった?」とか、「どんな例えがよかった?」とか。
事実を認めつつ、もう次のことを考えてる。
だから受け止めるって、ただ感情を整理するだけじゃなく、瞬間の中で走る複数の思考をまとめていく作業なんだと思う。


完璧ではなく、泥臭く続ける

――完璧を求めるのではなく、泥くさく続けていく。そこに意味があるわけですね。

HAJIME
そうそう!完璧なんて無理。無理と言い切っていいと思う。
でも完璧を目指して「どう考えて」「どう動くか」を繰り返す。
それが日常の一部なんだ。死ぬまで続く“クセ”みたいなもんだよ。

ただね――「泥臭く続けよう」なんて意識はしてない。
本音を言えば、スマートに、かっこよくありたい!笑
でも結果として泥臭くなることが多いんだよね。

昔、営業先で「今どきこんな古臭い泥臭い営業をする人いるんだ」って言われたこともある。
でも逆に「そういう泥臭さ、好きですよ」って言われたときは、めちゃくちゃ嬉しかったな。

だから誤解しないでほしい。俺は泥臭さを求めちゃいない!笑
本当はスマートにやりたい。でもなれてない。…だから、やっぱり泥臭くなるんだよ。笑


「考えて行動する」の具体例

――具体的に、「考えて行動する」をどう回しているんですか?

HAJIME
俺なりのやり方はシンプルで、「事実 → 気づき → 次の一手」に落とし込むだけ。

例えば管理者時代の研修なら:

  • 事実:新人研修で制度の基準を30分説明したら、途中でノートを取る手が止まって、目が泳いでいた。
  • 気づき:いきなり基準を並べたせいで「なぜ必要か」が置き去りになってた。
  • 次の一手:「まず“この研修を受けると現場でこう変わる”を3分で話す → 具体的な現場の例え → 基準解説」の流れに変える。

そして今でもよくあるケース
運営指導の書類で、形式は揃ってるのに「中身の根拠が弱い」と指摘されるお客様がいる。
どうしても“今までの慣習”を大事にしすぎて、行動に移すまでに「なんだかんだ理由づけ」をしちゃうんだよね。

俺なら「それならまずやってみっか!」なんだけど、こうならない人は結構いる。
そのギャップをどう埋めるか、そこにアドバイスをするのが俺の役目なんだと思ってる。


これからも人間臭く

――最後に。これから先に向けて「人間臭くあり続けたい」と思う部分は?

HAJIME
「人間臭くありたい」とわざわざ思ってるわけじゃないんだよね。
ただ、もし俺が「考えずに行動する」ようになったら、それはお客様への裏切りだと思ってる。そうなったらもう事業はやめるよ。

だからこれからも考える。いろんな角度で。置き換えたり、考えすぎたり。笑
体験を細かく分けて、経験にしていく。パーツを増やす。
今までも無意識にやってきたことを、これからも続けていくだけだね。


結びに

前回のインタビューでは「考えて行動する」というHAJIMEさんの人生哲学が見えてきました。
力強くて真っ直ぐで、ちょっとカッコよすぎると感じた方もいたかもしれません。

でも今回のやり取りで伝わってきたのは、その裏にある素顔です。
失敗も空回りもある。スマートでありたいのに泥臭くなってしまう。
それでも事実を受け止めて、また考えて、一歩を踏み出す。

この姿勢こそが、HAJIMEさんの「考えて行動する」を生きた言葉にしているのだと思います。

訪問看護の現場で働く管理者にとって、想定外の質問や思わぬ行き違いは日常茶飯事。
そのときに大切なのは、完璧な答えをすぐに返すことではなく、まずは職員に対して「一緒に考えよう」という姿勢を見せること。
その安心がチームの力になり、結果として利用者さんやご家族に対する安心にもつながっていくのだと感じます。

この記事を読んで「わかるなぁ」と共感したり、自分の現場を思い浮かべて内省したりする方もいるでしょう。
そして、もし今「どうしたらいいんだろう」と立ち止まっている方がいたら――。
この言葉が、背中をそっと押すきっかけになるのではないかと、私は思います。

では、あなた自身の「考えて行動する」は、どんな形をしているでしょうか。
それを少し思い描くだけで、次の一歩が変わるのかもしれません。

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